-izaより-
【米金融危機】影響続くリーマン・ショック
米大手証券、リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)から1週間。全世界を巻き込んだ“リーマン・ショック”は、日本でもその度合いが大きい。リーマンが発行した社債を保有している企業やリーマンが大株主になっている企業、さらにはリーマンの社債や株を組み入れた投資信託の基準価額下落などで、影響は企業・個人を問わずに広がりを見せている。
リーマンが4月時点で発行済み株式の13.71%を持つ安楽亭は、リーマンから無担保融資を受けるために「新株予約権付きローン」を今月29日に発行する予定だ。「リーマンは26日に業務停止期間が切れるため、29日の契約履行に向けて粛々と準備を進めるだけ」と冷静に受け止めている。
だが、リーマンが大株主となっている企業は多く、破綻したリーマンが市場での株式売却を行う可能性もある。リーマンが6・26%の株式を保有するダヴィンチ・ホールディングスは、「事業的なつながりはなく、連絡もない。いまは動向を見守っている」というが、そうするしかないのが実情ともいえる。
またレオパレス21は、リーマンの子会社に対し、17億円弱の債権を持っていると発表。平成21年3月期の業績に対しては「影響は限定的で軽微の見込み」としているが、一部が回収不能となる可能性がある。テレビ朝日もリーマングループの企業が発行する社債を10億円保有しており、「厳しい投資基準を設けているが、発行元自体が破綻するとは、まったくの予想外だった」と驚きを隠さない。
一方、国内の投信市場では、リーマンに加え、米政府による公的救済が承認された米保険大手AIGの関連証券を組み込んだ投資信託の新規購入や解約の手続きを停止するなどの影響が出始めている。
野村アセットマネジメントや大和証券投資信託委託などの大手運用会社は、16日以降、リーマンやAIGが発行する債券や株式などを組み込んだ投信を相次いで公表した。野村アセットが14本、大和投信が62本、日興アセットが66本など、多数の投信について、各社は投資家への必要な情報開示に追われている。
野村アセットでは、AIGの関連会社などが算出する指数に連動した「野村コモディティ投信」の新規購入、解約を停止する措置をとっている。「新規の売買を停止させたり、状況の説明に力を入れるなど、市場の混乱を最小限にとどめる」(野村ホールディングス広報部)ためという。
投資信託協会によると、世界同時株安が起きた今年3月には、投信は昨年7月以来8カ月ぶりに3000億円を超える資金流出に転じたが、今回は日経平均株価が3月の年初来安値を更新するなど、3月の低迷をさらに深刻化させる状況が続いている。機関投資家、個人投資家を問わず、基準価額の下落などで、リーマン・ショックによる悪影響が広がり、3月を上回る資金流出が起き、投資離れが加速することも考えられそうだ。
かなり世間はリーマン、リーマンとうるさい。
米大手証券会社で、かつ日本企業の株主になっていたり、また、リーマンの株式や社債を組み入れた投信が販売されているようで、日本に間接的な影響は当然あるのは予想してはいたが、直接的影響も少なくなさそうだ。
勿論、負債総額6130億ドル(64兆3600億円)と史上最大の倒産劇であり、しかも、リーマンの米国の会社更生手続申請日には、 BOAがこちらも米大手証券会社のメリルリンチを株式交換で子会社するといったことも起こっており、日本経済に悪い影響があることは間違いない。
しかし、どこのテレビを見ても、悲観論ばかりであり、楽観論が全くないのもおかしいものである。
考えようによっては、米国経済の悪化で円高になり、昨今問題となっている石油、食料などの原材料価格高騰を緩和する効果もあり、多分にバブル気味な米国経済を沈静化させる、いわば劇薬の効果がなきにしもあらずである。
また米証券会社や米投資銀行の体力が弱まれば、邦銀や日本の証券会社の競争力が相対的につよまる可能性もある。
勿論、巷間いわれているような東証株価の暴落やリーマンを株主とする日本の会社の株式の市場流出、及び、円高による日本の自動車産業、エレクトロニクス産業等の日本を代表する輸出産業の売上減も当然あるにはある。
ただし、リーマン破綻の件は日本にとってデメリットだけがあるのではなく、チャンスでもあるといった見方が少しはされてもいいのではないか。
話はかわるが、経済学・経営学の分野にプロスペクト理論というものがある。
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【問1】
Aさんは以下のケースのどちらかを選択できる場合、Aさんはどちらを選択するだろうか。
(ケース1)
Aさんにあるくじを引いてもらい、50%の確率で100万を受け取ることができるが、外れれば何も受け取れない。
(ケース2)
Aさんは必ず50万円受けとれる。
結果は、ほとんどの人は(ケース2)を選択する。
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【問2】
では少し条件を変えて、同様にAさんは以下のケースのどちらかを選択できるとした場合、Aさんはどちらを選択するだろうか。
(ケース1)
Aさんにあるくじを引いてもらい、50%の確率で何も支払う義務は負わないが、外れれば100万を支払う義務を負う。
(ケース2)
Aさんは必ず50万円を支払う義務を負う。
結果は、ほとんどの人は(ケース1)を選択する。
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これは何を意味しているのだろうか。
こうした選択問題では、人間が合理的であると仮定した場合、期待値計算を行い、期待値の高いほうを選択することになる。しかし、【問1】はそれぞれ期待値は50万円、【問2】は期待値は-50万円であり、両問もいずれか一方を選択す理由はないといえるが、人は偏った選択を行う。
また、【問1】と【問2】を比べてみると、【問1】は必ず50万円を受け取れるほうを多くの人が選択し、【問2】はいちかばちかくじを引いて、何も支払う義務を負わない可能性がある、いわば博打を選択する人が多い。
つまり、人はあらゆる事象において、合理的な判断を下しているのではなく、その判断の仮定において、何らかのバイオスが影響していることが分かる。
そしてそのバイオスとは、自分が設定している基準値(ここではプラスマイナス0)より期待値がプラスの場合(つまり【問1】の50万円)、リスク回避型となり、逆に期待値がマイナスの場合は、リスクテイカーになることを意味している。
こうした人間の非合理的判断の過程を説明したのがプロスペクト理論である。
つまり、何がいいたいかといえば、「人間万事塞翁が馬」ではないが、悪い事象が起こった場合に、悲観的な考えばかり起こすのではなく、良い影響もあるはずだと考える必要があるということだ。当然逆も然りである。
円高になればギャーギャー騒ぎ、円安になってもギャーギャー騒ぐ。しかもその円高、円安の基準値、つまり日本が最大限メリットを享受できる為替レートがいくらであるのかは全く理論的に説明していないにも関わらず。
どちらに転んでも悲観的ニュースばかりを垂れ流す日本のマスコミは、一体なにがしたいのかと問いたい。日本国民を疑心暗鬼にさせて国力をそぐのが任務なのだろうか。
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